ヤミヤミ≒ヨマイヨマイ

このブログはわたしじゅんはじめが外界からの数多の刺激の中で妄想した事柄とか内なる衝動が生み出した邪なる創造の萌芽とかそういうなんだかよくわからないものを徒然なるままに日々雑記として書きつらねていこうと画策した上に設置されたものである・・・・・・・のかもしれないぞっと(^^ゞ

Mishima: A Life In Four Chapters

1月 16th, 2021 by PureJyam

増えるばかりでストックが減っていかないブルーレイ。今回は1作のみ。

Mishima: A Life In Four Chapters」 1985
日本未公開の日米合作映画である。三島由紀夫の生涯を、自決の朝からの行動と著作の劇中劇、そして回想を織り交ぜた巧みな構成で描く。
監督は、「タクシードライバー」の脚本で有名なポール・シュレイダー。日米合作でアメリカ人監督ではあるものの、役者は全編日本語で演じているので、輸入版だが全く問題なく見られる。
三島由紀夫役は緒形拳がやっていて、なかなかの迫力ある演技が素晴らしい。なんでこれを見ようかと思ったのかというと、Tumblrにこの映画のいくつかのシーンの写真が投稿されているのを見たせいだ。この映画では、劇中劇の部分をセットの中で行われる演劇のような形で描いており、そのセットの美術に目を奪われてしまった。セットデザインは、後にアカデミー賞衣装デザイン賞をとった石岡瑛子という人。さすがとしか言いようのないすごいセンスに衝撃を受けた。

三島由紀夫の小説は、「金閣寺」と「潮騒」しか読んだことがないしかも中学生のときなので、あまり覚えてもいない。きらいではなかったが、傾倒するほどではなかった。個人的には同時期に読んだ村上龍の方にかなり影響を受けた気がする。自決のときは小学生だったが、そういうニュースを見た記憶は一切ない。市ヶ谷駐屯地での演説の映像とかは多分もっとずっとあとになって見たものを憶えているだけだと思う。この映画でなるほどそういう事情だったのかということを初めて知った。

まぁなにぶんにもああいう形での自決であり、そのあたりの影響もあって、日本では未公開になってしまったらしい。あと三島の同性愛を匂わせるような描写もあって、遺族が抗議したということもあるのだろう。しかし、映画としては三島を貶めているわけでも賛美しているわけでもなく淡々とその人生と作品を描いてる素晴らしいものなので、ぜひとも公開してほしいものだ。

Posted in 映画

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