ヤミヤミ≒ヨマイヨマイ

このブログはわたしじゅんはじめが外界からの数多の刺激の中で妄想した事柄とか内なる衝動が生み出した邪なる創造の萌芽とかそういうなんだかよくわからないものを徒然なるままに日々雑記として書きつらねていこうと画策した上に設置されたものである・・・・・・・のかもしれないぞっと(^^ゞ

仁義

11月 9th, 2022 by PureJyam

「仁義」 1970
監督はジャン=ピエール・メルヴィル。主演はアラン・ドロン、「荒野の用心棒」や「夕陽のガンマン」でおなじみのジャン・マリア・ボロンテや出演映画を見たことはないが、なぜか名前を知っているイヴ・モンタンらが出ている。もちろんフランス映画。
いわゆるフレンチ・フィルム・ノワールの作品。原題は「Le Cercle Rouge」で直訳すると”赤い輪”だが、これでどうして邦題が「仁義」になってしまうのか、全くもって理解不能だ。
5年の刑期を終えて出所したドロンは、パリに向かう途中で、護送中に脱走したボロンテに遭遇する。2人はパリで、ボロンテの知人である元刑事のモンタンと共に、宝石店襲撃の計画を練り始める。しかしそのころ、一人の刑事が、執拗にボロンテを追っていた。
140分の大作だが、セリフが極端に少なく、登場人物の説明もないので、アラン・ドロンがなぜ刑務所に入っていたのか、ジャン・マリア・ボロンテがなぜ護送されていたのか、とかそのあたりのことは全くわからない。一番の見せ場である宝石店襲撃のシーンでも、かなり長い尺を取っているが、一言もセリフがなくかつ音楽すら流れないという徹底ぶりである。しかしそれによって一種異様な緊張感が生まれていて、目が離せない。とにかくすごい。傑作である。
同梱の冊子によると、ボロンテの役にジャン・ポール・ベルモンドをあてることも考えられていたようだが、ちょっとイメージが違うかなぁ。ジャン・マリア・ボロンテの鋭い目つきがこの映画の雰囲気には合っている気がする。アラン・ドロンは珍しく口ひげを生やした役で、終始感情をあまり表に出さないハードボイルドな感じが、かっこよい。
女優がほぼ出てこず、ドロンが出所してすぐに赴く恐らくは組織のボスっぽい男のところにいる女がドロンと関係あったであろうことを匂わせるが、会話もなくそのあとは出てこない。これはまさに男たちの映画なのである。

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