ヤミヤミ≒ヨマイヨマイ

このブログはわたしじゅんはじめが外界からの数多の刺激の中で妄想した事柄とか内なる衝動が生み出した邪なる創造の萌芽とかそういうなんだかよくわからないものを徒然なるままに日々雑記として書きつらねていこうと画策した上に設置されたものである・・・・・・・のかもしれないぞっと(^^ゞ

切腹

11月 22nd, 2022 by PureJyam

「切腹」 1962
結構前に買ってかなりの間積んでいたもの。ようやく見たが、これはすごい。傑作である。
監督は小林正樹、主演は仲代達矢、他に三國連太郎、丹波哲郎、岩下志麻ら。
関ヶ原の混乱を引きづった江戸時代初期の頃、大名の江戸屋敷に「武士らしく切腹したいので玄関先を借りたい」という口上と共に訪れる食い詰め浪人が多く現れた。もちろん断られることを前提の強請たかりの類であった。そんな中、井伊藩の屋敷にも一人の浪人が訪ねてくる。その男に井伊藩の家老は先日も同様の男が来たという話をし始める。
パッケージ写真の印象では、なにやら決闘にまつわる映画なのかとも思えるが、実はそういう映画ではない。またカラーではなくモノクロ作品である。
とにかく脚本が秀逸だ。切腹を望んで井伊藩を訪れた男の本当の目的は何なのかという謎の設定。男の話に巧みに紛れさせた伏線の張り方。いやぁ、ほんと素晴らしい。そして謎を孕んだまま淡々と物語が進んでいく緊張感と仲代達矢の緩急のふり幅の大きいすさまじい演技。まさに鬼気迫ると言っていい。
海外でも評価されたらしいが、恐らくこの武家が守ろうとする武士道を巡る悲劇が、ある意味国や時代を超えて普遍的なものを含んでいるからなのだろう。
ただ、見終わったあと冷静に考えてみると井伊藩が悪いわけではないよねぇという気がしないでもない。

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