ヤミヤミ≒ヨマイヨマイ

このブログはわたしじゅんはじめが外界からの数多の刺激の中で妄想した事柄とか内なる衝動が生み出した邪なる創造の萌芽とかそういうなんだかよくわからないものを徒然なるままに日々雑記として書きつらねていこうと画策した上に設置されたものである・・・・・・・のかもしれないぞっと(^^ゞ

僕の村は戦場だった

2月 14th, 2024 by PureJyam

「僕の村は戦場だった」 1962
アンドレイ・タルコフスキー監督の長編第一作。前に見た「惑星ソラリス」「ストーカー」ともにSFであったが、これはまぁタイトルからも分かる通り戦争映画である。第二次世界大戦中の独ソ戦を描くが、戦闘シーンがあるわけではない。既に絶版で、中古で買ったのだが安くはなかった。リマスターされているわけでもないようで、フィルムの傷がかなり気になる。
父は戦死、村を焼かれ、母も妹も失い天涯孤独となった少年イワンは、ドイツ軍への憎しみをはらすため、パルチザンとして危険な偵察任務に赴く。
全てのシーンがまるで絵画のように美しい。しかし描かれるのは戦災孤児イワンの悲劇である。直接的な戦闘シーンはなく、砲撃の着弾や銃声のみがそこが戦場であることを示している。全般的に暗い場面が多いが、イワンの回想や彼の慕う大尉と看護師との束の間の逢瀬のシーンだけが明るい。
原題は「Иваново детство」で、直訳すると”イワンの幼年時代”。邦題は内容からのものだろうが、かなりよい。原題に則して付けるとすれば多分「イワン」とかになるかな。ただそれだと原作小説のタイトルと同じなのだけどね。
回りの大人たちが皆イワンのことを思っているのがよい。ただ彼を学校へ送ろうとするが、本人はそれを受け入れようとはしない。全てを奪われたイワンにとって、戦場で皆の役に立つということだけが、憎しみを癒してくれるからなのだろう。
水辺を走るイワンを後方斜め上から追うラストシーンがあまりにもよすぎる。

Posted in 映画

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