読書 2013/02
あっと言う間に息切れして2月は3冊のみ。
写真では2冊だが、人から借りて返してしまったのが1冊あった。
「最悪」 奥田 英朗
以前やはり借りて読んだ「オリンピックの身代金」の作者の作品。借りた人も同じだったりする(^^;)
オリンピック~もやたらと細かい描写に圧倒されたけど、これまた細かい。
まぁこれがこの作者のすごいとこではあるんだけど、今回はそれぞれの登場人物がどんどん最悪な状況に追い詰められてゆくシチュエーションなので、細かい描写がいたたまれなくて読んでると気分がどんどん鬱になってくる感じ・・・
町工場の社長、銀行のOL、ちんぴらとまったく関係ないはずの3人が追い詰められたあげく出会ってしまう。
アメリカンニューシネマなら絶対ラストは車でどっかに突っ込んで自爆エンドになりそうな展開なのだが、まぁ一応最悪は回避したよなラストでした。
さらにその後どうなるのかを想像してしまうと、あまりハッピーエンドとは言い難いんですけどね。
「闇の奥」 辻原 登
映画「地獄の黙示録」の原作と言われている「闇の奥」という小説があるが、それに着想を得て書かれたらしい。
戦時中に小人族を追ってボルネオのジャングルの奥に消えた三上隆を探す物語である。
形式的には連作であり、6つの短編でいろいろな視点から三上を探す旅を描く。
現実と非現実の混ぜ方がなんともうまい。いかにもな肩書と経歴を持つ登場人物と現実の事件や実在の人物とが交錯してどこまでが事実でどこまでが創作なのかよくわからなくなってくる。
元ネタの方も以前読んだことがあるが、そっちはどうも訳のせいか読みづらくてあまりパッとしなかったが、こっちははるかに面白い。
「ビアンカ・オーバースタディ」 筒井 康隆
あの筒井康隆御大が書いたラノベである。かつイラストはいとうのいぢである。
帯にあるような「2010年代の時をかける少女」やイラストから連想される「涼宮ハルヒの憂鬱」を想像しつつ読み始めるとひっくり返る。
まぁ筒井らしいといえば筒井らしい人を喰ったラノベだ。
あとがきで、メタラノベとして文学的読み方もできるというようなことを書いているけど、わたしにはそんな高度な読み方はできなかった・・・
普通に読んだら、ただのエロ小説以外のなにものでもない(^^;)
いわゆるラノベへの皮肉なんだろうなー
Posted in 本