3-4X10月
7月 24th, 2025 by PureJyam

「3-4X10月」 1990
監督は北野武。主演は小野昌彦。「その男、凶暴につき」に続く監督2作目である。今作では脚本も書いている。というか1作目以外は全部脚本も書いているのだよね。まぁ1作目も脚本のクレジットは野沢尚になっているが、たけしが大分書き直したという話だし。
ヤクザと揉めたガソリンスタンド店員の雅樹は草野球の監督で元ヤクザのバーのマスターに仲裁を頼むが・・・
前作は元となった脚本があったためかちゃんと警察物として成り立っていたが、今作は脚本も担当することになって、ある意味好き勝手やりましたという感じ。出演者の多くは当時のたけし軍団のメンバーであり、ストーリーもコントとシリアスのごった煮のようだ。
主演の小野昌彦は普通に役者かと思っていたら、軍団の柳ユーレイだった。何を考えているかよくわからない無口な青年の役を良く演じている。
ヤクザにぼこされたマスターの遺恨を晴らそうと、銃を手に入れるために沖縄に向かうユーレイとダンカンが出会うのがヤクザのたけしで、この沖縄での出来事は後の「ソナチネ」に通ずるものがある。ただ雰囲気は似ているのだが、映画としての完成度はやはり「ソナチネ」の方が高いのだよね。
そもそも今作自体が全体的に「ソナチネ」を撮る前の習作みたいな映画であるとも言えるかもしれない。
前作と比べるとエンタメ性が低いので興行的にはあまりかんばしくなかったようだが、映画自体の評価は悪くない。個人的にもエンタメに極フリしている「アウトレイジ」のような作品よりは好きな部類ではある。
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