ヤミヤミ≒ヨマイヨマイ

このブログはわたしじゅんはじめが外界からの数多の刺激の中で妄想した事柄とか内なる衝動が生み出した邪なる創造の萌芽とかそういうなんだかよくわからないものを徒然なるままに日々雑記として書きつらねていこうと画策した上に設置されたものである・・・・・・・のかもしれないぞっと(^^ゞ

眠狂四郎 勝負

3月 20th, 2021 by PureJyam

こないだも、「三匹の侍」を見ましたが、時代劇は嫌いじゃありません。まぁもちろん好みは偏ってますけどね。

「眠狂四郎 勝負」 1964
言わずと知れた市川雷蔵の当たり役、眠狂四郎の映画化の2作目。原作は何作か読んでいるが、映画を見るのはこれが最初である。何年か前にやった田村正和主演のテレビ版は見たが、田村正和がさすがに年を取りすぎていて、もはや眠狂四郎というイメージではなかったことくらいしか憶えていない。
他にも何人か眠狂四郎を演じているが、ある意味本家とも言える市川雷蔵。さすがとしか言えない。まさに柴田錬三郎描く原作のイメージそのままである。冷たく無表情な眼差し、時折見せる少年のような笑顔。どのカットを取っても眠狂四郎そのままだ。

「三匹の侍」と同年公開だが、こちらはフルカラー作品である。監督は時代劇の巨匠とも呼ばれる三隅研次。ストーリーは加藤嘉演じる勘定奉行との年齢と立場を超えた友情を軸に、悪徳商人やらが絡む勧善懲悪物。眠狂四郎が強くてカッコよいというところを描くために作られた映画だ。もちろん市川雷蔵はよいが、加藤嘉がよい味を出していて2人の関係が素晴らしい。いろんな作品で老人役を演じているが、このとき50歳そこそこであったとは驚き。どう見ても70前後にしか見えない。魅力的なバイプレーヤーだ。

画面のレイアウトがどのシーンを見ても美しい。シネマスコープの横長画面を最大限に生かした画面構成はまさに様式美とも言える。まさに往年の時代劇という感じ。「三匹の侍」のモノクロの光と影のコントラストもよかったが、あちらは、ダイナミックなカメラワークがある意味現代的だった。やはり監督がテレビ出身ということもあるのだろうか。

「三匹の侍」とこの作品との大きな違いは、殺陣のシーンの効果音だ。「三匹の侍」では人が斬られるときにかなり大きな効果音が入る。今では当たり前のように使われているが、当時では「三匹の侍」が初めて取り入れたと言われている。なので、この作品では斬られてもほとんど音がない。刀が風を切る音や刃と刃が当たる音ははっきり入っているのだが、人を斬ったときの効果音はほぼない。しかし、それが物足りないかというとそういうわけでもないのだ。「三匹の侍」では殺陣自体がかなり激しい動きを伴っていて、大人数を相手に縦横無尽に走り回りながら斬るような感じだったので、効果音があることがとてもマッチしていた。逆に眠狂四郎の円月殺法は、非常に静的であるのでたとえ効果音がなくても違和感を感じるということはなかった。

眠狂四郎のシリーズはこのあともたくさん撮られているので、もしかすると後年のものには入っているかもしれない。そのへんちょっと気になるといえば気になるところだ。ただ、なぜかブルーレイになっているのはこれだけなんだよね。この作品が代表作と呼ばれているせいなのかもしれないが、ほんと日本の映画会社は映画のメディア化に消極的だよね。

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