ヤミヤミ≒ヨマイヨマイ

このブログはわたしじゅんはじめが外界からの数多の刺激の中で妄想した事柄とか内なる衝動が生み出した邪なる創造の萌芽とかそういうなんだかよくわからないものを徒然なるままに日々雑記として書きつらねていこうと画策した上に設置されたものである・・・・・・・のかもしれないぞっと(^^ゞ

あらかじめ失われた恋人たちよ

5月 22nd, 2021 by PureJyam

久しぶりに時代劇ではない邦画。邦画はまぁ最近のものはともかく古い映画はほとんどブルーレイ化されておらず、これもDVDだ。DVD化された邦画はかなり多く、こんなものまでというマイナーな作品もあるが、なぜかブルーレイ化までは行われず、日本の映画会社はどうやらDVDで力尽きたらしい。

「あらかじめ失われた恋人たちよ」 1971
桃井かおり、石橋蓮司、加納典明が出ている。監督は、今はほぼ評論家として有名な田原総一朗と先月亡くなった劇作家の清水邦夫の共同監督である。もっともWikipediaによると、当時テレビドキュメンタリーを撮っていた田原は劇映画の現場ではほぼ役に立たず、実質的には助監督が撮っていたらしい。
わたしは、高校生の頃に見ている。当時というか、中学3年頃から桃井かおりのファンだったからだ。なので桃井かおりの出ている映画を探しては見に行っていた。中三のときクラスの女の子に桃井かおりのファンだと言ったらいやらしいとか言われたのだが、そのときはテレビドラマで見てファンになっていたので、なんでいやらしいと言われるのかわからなかったが、その後この作品や「赤い鳥逃げた」とか「青春の蹉跌」とか見たら、わりとヌードシーンが多くて、ああなるほどと納得した。ただなんでクラスの女の子がそういうことを知っていたのかは謎のままだが。
お話は、風来坊の石橋蓮司が、旅の途中で聾唖のカップルである桃井かおりと加納典明に出会い、道連れになるというロードムービー的な感じ。いかにも1970年代臭いちょっと前衛的な映画ではある。桃井かおりと加納典明は役柄上セリフはない。石橋蓮司はまだ若く、のちの悪役めいた雰囲気は微塵もなくてただひょろっとした情けない感じのヒッピーで、最初から最後まで一人でしゃべりまくっている。彼のしゃべる無意味な言葉の羅列とカップルの沈黙との対比がいろいろと解釈可能なところであろう。
高校生のときに見たときは、カップルの男の方が加納典明であることは全くわからなかった。今でこそ写真家とし有名だが、役者として映画にも何本か出ているようだ。セリフはないが危ない雰囲気を漂わせた2枚目である。
面白いか面白くないかでいうと、さほど面白いわけではなく桃井かおりの裸以外は特に見るべきところもないのだが、じゃあ見ていて退屈かというとそうでもなく、2時間の上映時間は長いとは感じなかった。もっとも演出や脚本がどうのというより石橋蓮司の演技が魅力的というのが一番の理由ではあるのだけどね。

Posted in 映画

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