ハメット

「ハメット」 1982
監督ヴィム・ヴェンダース、主演フレデリック・フォレストの探偵物のミステリー。製作総指揮はフランシス・フォード・コッポラである。
元探偵の作家ハメットの元に探偵時代の友人ジミーが訪ねて来る。彼は中国人娼婦のリンという女の捜索をもちかける。
ハメットは実在の作家ダシール・ハメットのことである。彼はミステリー界ではハードボイルドの立役者として名高くわたしも名前は随分前から知っているが、作品自体は読んだことない。「血の収穫」とか「マルタの鷹」が有名。今作は彼の作品の映画化というわけではなく、彼を主人公にしたジョー・ゴアズという作家の小説の映画化となっている。またこの小説もハメットが関わった実際の事件を元にしているのではなく完全なフィクションである。
まぁ普通の探偵物のミステリーであり、つまらなくはないが見るべきところもない。テレビシリーズの中の1編を見せられている感じ。この2年後に「パリ・テキサス」を公開しているヴィム・ヴェンダースだが、同じ監督とは思えない。興行的にも失敗している。ただ製作中にコッポラと揉めたということなので、監督の望んだ風には撮れてはいなかったのかもしれない。
主演のフレデリック・フォレストは、ハメットのWikipediaの写真を見る限りかなりイメージを再現しているように思える。ただハメット本人がどちらかというと癖のない風貌であるため、印象が地味なのだよね。そしてそれが作品全体の印象にもなってしまっている。やはり実在の人物を主人公にしている弊害が出ている気がする。小説ならまだしも映画には向いてない作品なんじゃないかねぇ。素直にハメットの作品を映画化した方がよかったのではなかろうか。
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