ドライヴ

「ドライヴ」 2011
監督ニコラス・ウィンディング・レフン、主演ライアン・ゴズリングのクライムサスペンス。以前見た「オンリー・ゴッド」と同じコンビである。
自動車修理工として働きつつカースタントもこなすゴズリングだが、さらに犯罪現場から逃走する車のドライバーという裏の顔もあった。そんな生活を送る中、同じアパートに住む子持ちの女と親しくなる。
ライアン・ゴズリングは「オンリー・ゴッド」でもそうだったが、今作でも寡黙な男を演じている。ただ偏屈な感じではなく、女とその子供に対してはぎこちないほほ笑みを見せている。
「オンリー・ゴッド」のストーリーは今一つわかりにくかったが、今作はストーリー自体はわかりやすい。とはいえ、特に主人公の過去については何の描写もなく、最初から最後まで謎のままである。抜群のドライブテクニックを持つが、裏稼業にも手を染めているところを見ると恐らく複雑な過去があるのだろうが、そこをあえて何も見せないところがうまい。
まぁ足を洗ったヤクザが流れ着いた土地で女に惚れてしまい、その女のためにまた血で血を洗う世界に戻っていってしまうみたいな話は日本のヤクザ映画にもよくありそうといえばよくありそうなお話ではあるのだけどね。
ロン・パールマンが裏組織のボス役で出ていて、なんか久しぶりに見たなぁという感じ。「クロノス」以来なので、3年ぶりなんだね。顔はごつくて大物っぽいが、実際にはそうでもないという悪党がよく似合うそれに対して、同じくボス役のアルバート・ブルックスは、好々爺然とした印象なのに、やるときは平然とナイフで切り裂くという凄みのある演技を見せていて、パールマンとの対比が印象的。
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