蜘蛛の巣を払う女

「蜘蛛の巣を払う女」 2018
監督フェデ・アルバレス、主演クレア・フォイのミステリーアクション。「ドラゴン・タトゥーの女」に続く、ミレニアムシリーズの映画化である。
天才ハッカーリスベットは、とあるプログラムをNSAから盗み出してほしいという依頼を受ける。盗み出しには成功するものの、そのプログラムを狙う謎の集団の襲撃を受けることになる。
元々ミレニアムは3部作で、前作の「ドラゴン・タトゥーの女」はその第1部の映画化である。スウェーデンでは2009年に3部全てが一度映画化されていて、前作はそのヒットを受けてのリメイクだった。で、今作はミレニアムの第4部にあたる。原作者のスティーグ・ラーソンは、出版前に亡くなっているのだが、あまりにヒットしたため、恐らくは出版社の意向でダヴィド・ラーゲルクランツという別人が今作の原作である第4部と5部、6部の3部作になる続編を書いたというわけ。さらにその後もカーリン・スミルノフという作家が7部を書いている。
デヴィッド・フィンチャー監督の「ドラゴン・タトゥーの女」は完全にミステリーだったが、今作ではミステリー色は薄れて、どちらかというとスパイアクションみたいな映画になっている。これは原作の作者が変わったせいなのか、監督が変わったせいなのかはわからない。
キャストも一新されていて、前作で強烈な印象を残したルーニー・マーラ演じるリスベット役もクレア・フォイに交代、もちろんダニエル・グレイグも出ていない。
クレア・フォイは悪くはないが、ルーニー・マーラのような危うさがなく、若干物足りない。
アクション映画としては面白いが、突出したものは特にない感じ。監督は「ドント・ブリーズ」を撮った人だが、今作よりもはるかに予算の少ない「ドント・ブリーズ」ほどにもヒットはしなかったようだ。
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