ヤミヤミ≒ヨマイヨマイ

このブログはわたしじゅんはじめが外界からの数多の刺激の中で妄想した事柄とか内なる衝動が生み出した邪なる創造の萌芽とかそういうなんだかよくわからないものを徒然なるままに日々雑記として書きつらねていこうと画策した上に設置されたものである・・・・・・・のかもしれないぞっと(^^ゞ

大菩薩峠

3月 14th, 2023 by PureJyam

「大菩薩峠」 1966
中里介山の原作小説は何度も映画化されているが、これは1966年版岡本喜八監督のものである。主演は仲代達矢。モノクロ作品だ。例によって日本ではDVDしか出ていないので北米版を買う。「The Sword of Doom」というタイトルが何ともかっこよい。
甲源一刀流の使い手である机竜之助の破滅的な人生を描く。主人公がいきなり何の罪もない巡礼の老人を切り殺すという描写で始まる映画もなかなかない。
ニヒリスト剣士みたいな形容をされる場合もあるが、その後の所業を見ても単なる性格破綻者であり、人間のくずである。以前見た「眠狂四郎 勝負」の眠狂四郎もニヒルな印象のキャラではあるが、少なくとも彼は一般人をいきなり斬るようなことはしない。
仲代達矢の演技は以前の「切腹」でも凄かったが、今作でも相変わらず凄まじく、画面に出ているだけで緊張感が漲る。また大人数での切り合いが多く殺陣の迫力もすごい。
希代の使い手である机竜之介が唯一勝てないであろうと悟る相手として三船敏郎が出ていて、こちらの殺陣も素晴らしい。
最初は普通に江戸時代の話だと思っていたのだが、いきなり芹沢鴨や近藤勇が出てきて驚いた。幕末の話だったのだね。原作小説は1913年から新聞連載されていて、41巻まで続いたが未完に終っている。映画で描かれるのは多分かなり最初の方だけのようだが、小説の続きでも机竜之助は辻斬りに勤しむサイコパスな人生を送っているらしい。
1960年に「眠狂四郎 勝負」の三隅研次監督が、市川雷蔵を主人公にして撮っていて、いずれこちらの版も見てみたい。今作よりも古いのにこちらはカラー作品みたいなのだよね。

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