エクソシスト ディレクターズカット

「エクソシスト ディレクターズカット」 1973-2000
監督ウィリアム・フリードキン、主演はエレン・バースティン、リンダ・ブレア。ホラーというよりはオカルトスリラーといった方がしっくりくるかもしれない。
女優クリスの娘リーガンはまるで悪魔に憑かれたように人が変わってゆく。しかし現代医学ではその原因を解明できなかった。絶望したクリスはカラス神父を尋ねるのだった。
1974年の日本公開時に映画館で見ている。当時大ヒットした映画で、私が見に行きたいと言ったら、特に映画好きでもなかった母も見たいと言って一緒に日比谷まで行って見たものだ。
リンダ・ブレアの特殊メイクはなかなか凄かったが、怖がらせようと必死になるような映画ではなかったせいか当時は特に怖いという感覚はなかったし、すげー面白いという程でもなかった。
ただ、テーマ曲のマイク・オールドフィールドの「チューブラー・ベルズ」は滅茶好きになって、すぐにレコードを買ったくらいではある。
しかし、今見るとちょっと印象が変わった。メリン、カラス、クリス、リーガンの日常をちょっとした違和感を挟みつつ淡々と描き、そこから徐々にリーガンの様子がおかしくなっていくサスペンス味ある盛り上げかたが、やはりフリードキン監督のうまさを感じる。まぁ前作の「フレンチ・コネクション」でアカデミー監督賞を取ったばかりであり、乗っていた時期なのだろうね。
母のクリスにとって、娘が得体の知れないものに変貌してゆく恐ろしさをひしひしと感じているわけで、今ではどちらかというと同じ親目線で見てしまうせいか妙に共感してしまうところがあるのだよね。
オリジナル版は、映画館で2回と多分テレビでも見ているが、ディレクターズカット版は初見である。10分ほどの追加シーンがあるが、一番有名なのはリーガンがブリッジの体勢のまま階段をかけ降りてくるシーン。かなりインパクトのあるシーンなのでなんで公開時にカットしたのだろうと思ったが、どうやら補助で付けていたピアノ線が写ってしまったためカットしたらしい。ディレクターズカット版を制作した2000年にはそんなのはCGでなんとでもなるようになっていたので、復活させたのだとか。
今さらながらに驚いたのは、老いたメリン神父役のマックス・フォン・シドーが当時まだ44歳で、メイクで老け役をやっていたという事実。特典映像のメイキングを見て驚愕してしまった。ずっと役と同年代の役者さんだとばかり思っていた。
Posted in 映画