ヤミヤミ≒ヨマイヨマイ

このブログはわたしじゅんはじめが外界からの数多の刺激の中で妄想した事柄とか内なる衝動が生み出した邪なる創造の萌芽とかそういうなんだかよくわからないものを徒然なるままに日々雑記として書きつらねていこうと画策した上に設置されたものである・・・・・・・のかもしれないぞっと(^^ゞ

エスパイ

4月 22nd, 2025 by PureJyam

「エスパイ」 1974
監督福田純、原作小松左京、出演藤岡弘、由美かおる、草刈正雄、加山雄三のSFアクション。DVDを買おうかどうしようか迷っていたら、ケーブルテレビで放映していたので録画しておいたやつ。
劇場公開時に映画館で見ているので50年ぶりである。しかし内容は1ミリも憶えておらず、ほぼ初見と変わらなかった。どのシーンにも見覚えがないというのはある意味すごい。いや、1シーンだけは記憶にあって、それは由美かおるが乳丸出しのエロい下着で踊るシーン・・・。まぁしょうがないよね。
レースドライバーの草刈は、陰ながら世界平和を守る超能力者組織エスパイ国際機構にスカウトされる。そして同じく超能力者である藤岡と由美とともにミッションに向かうことになる。
何分にも小松左京の原作が書かれたのが1964年とあって、超能力の扱いがなんともぎこちない。タイトルも今の感覚で見ると安易としか思えないが、当時としては多分斬新だったのだろう。そもそもエスパーという言葉自体恐らくまだ物珍しい用語だったはずだ。作中でもサイコキネシスは念動力と表現されているくらいなのだ。
エスパーなスパイ同士の戦いと聞くと、当然ド派手な超能力での戦闘シーンを期待したいところだがいかんせん50年前の邦画ということで、超能力の表現がとても地味。アクションはほぼ銃撃戦がメインで、超能力は補助的にしか使われない。期待の念動力も相手の銃の銃口をそらすくらいにしか使われず、それで敵を吹っ飛ばすみたいなことはしないのだ。
それでもスパイ物としてストーリーに二転三転する展開とかあればまた違ってくるのだが、何のひねりもない勧善懲悪で、いまどきなら子供向けのヒーロー物でもやらないだろうなという感想。しまいには超能力とは愛なのだとか言い始めるので、もはや目が点。どうりで記憶に残っていないはずである。見たあとに何も残らない系の映画なのだ。
スイス、パリ、イスタンブールなど世界を股にかける的な描写もあって、それらの風景は確かに現地ロケなのだが、役者が出てくるのは室内か乗り物の中とか顔のアップとかだけで、恐らく別撮りなのだろうなぁというのがわかって泣ける。
まぁなんせタイトルバックの曲が尾崎紀世彦が歌う「愛こそすべて」というばりばりの昭和歌謡というのが、SFもスパイもアクションもどこかに吹き飛ばしてしまう世界観なのだよねぇ。

Posted in 映画

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