太陽の下の10万ドル

「太陽の下の10万ドル」 1964
監督はアンリ・ヴェルヌイユ。主演はジャン=ポール・ベルモンドとリノ・ヴァンチュラ。アフリカを舞台にしたフランス版トラック野郎といった感じの映画である。
ベルモンドとヴァンチュラはアフリカの運送会社でドライバーとして働いていたが、ある日ベルモンドが会社の新型トラックを盗み出して逃走した。ヴァンチュラは社長の命で彼を追うことになるが・・・。
シリアスなクライムアクションかと思って見始めたが、そういうわけでもなくどちらかというと、コメディよりではある。ベルモンドがやたらと軽薄な若造を演じていて同年のド・ブロカ「リオの男」を思わせるが、そちらほどのアクションはないし、コメディに徹してる感じでもない。できれば山田康雄氏の吹き替えで見てみたいところだが、そもそもブルーレイに吹き替えの収録はないし、かつてテレビ放映されたときの吹き替えも違う人だった。
追うリノ・ヴァンチュラと追われるジャン=ポール・ベルモンドの出し抜け合いは面白いが、いろいろと中途半端な印象。
ベルモンドは恋人とペアで、ヴァンチュラは謎めいた流れ者の男とのペアたのだが、どちらもあまりうまく絡めていない感じで、そこが惜しい。特に謎めいた流れ者はもうちょいストリーにかかわらせれば意外性も生み出せたかもしれない。
モノクロということもあって、アフリカの強烈な太陽の下でのチェイスという雰囲気があまり出せてないのも残念。
アンリ・ヴェルヌイユ作品は今まで見た中では「シシリアン」とか「恐怖に襲われた街」とかあるが、どれも悪くはないがこれといったところもないというイメージしかなくて、今作もそんな感じか。
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