デビルズ・バックボーン
9月 15th, 2025 by PureJyam

「デビルズ・バックボーン」 2001
監督ギレルモ・デル・トロ、出演はエドゥアルド・ノリエガ、マリサ・パレデス。孤児院を舞台にした幽霊譚。
スペイン内戦時、孤児院に連れられてきたカルロスは、同世代の少年の幽霊に出会う。
映画としては悪くないが、ストーリーが幾分中途半端で消化不良気味。ホラーというほどホラー演出はないし、ミステリーというには謎がなさすぎる感じ。
人里離れた荒野に建つ孤児院、庭には不発弾が彫像のように鎮座し、医師の男はラム酒漬けの胎児の標本を集めている。
こうした舞台を彩る一つ一つの要素は、まぁ多分監督の趣味だろうが悪くない。イメージの構築はさすがギレルモ・デル・トロ監督である。前作の「ミミック」であまり自分の意志が尊重されなかったらしく、恐らくその反動もあって最大限に趣味を生かした映画にしたのだろう。
原題は「El Espinazo del Diablo」(悪魔の背骨)で、邦題はその英訳のカタカナ表記である。
これは医師の持っている胎児の標本の中の病気で露出した脊椎を指すもので、ストーリーとは直接的な関連はない。もちろんいろいろな解釈はあるのだろうけどね。
スペイン内戦時のお話という点では、後に製作される「パンズ・ラビリンス」とどうしても比べてしまうが、世間の評価と同様やはり「パンズ・ラビリンス」の方がはるかによいとは思う。
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