11月 13th, 2024 by PureJyam
「スパイクス・ギャング」 1974
リチャード・フライシャー監督、リー・マーヴィン主演の西部劇。ではあるが、物語上の主役はどちらかと言うとゲイリー・グライムズ、チャールズ・マーティン・スミス、ロン・ハワード演じるところの3人の少年たちの方であり、物語もアメリカンニューシネマっぽい。
西部の田舎町に住む3人の少年はある日倒れている男を助ける。男は銀行強盗のお尋ね者ハリー・スパイクスだった。彼との出会いが少年たちの運命を狂わせてゆく。
リチャード・フライシャーは「ミクロの決死圏」や「ソイレント・グリーン」のようなSFから「トラトラトラ」のような戦争物まで幅広いジャンルを手掛けており、さらに今作のようなアメリカンニューシネマチックなものや「マンディンゴ」のようなセンセーショナルなものまでも撮っているのを見るとまさに巨匠という感じ。
リー・マーヴィンは以前見た「ポイント・ブラック」でも主演していたが、今作では立派な口ひげを生やしているせいかそのときのイメージが全くない。ただこっちの方が渋くてかっこいい。
厳しい父に反発して家出するも金がなくなり、いきなり銀行強盗してしまうがうまくいくはずもなく、逃げるときに議員を撃ち殺して即お尋ね者になるという、馬鹿の転落を絵に描いたような3人組が痛々しい。
リー・マーヴィンはしかしあくまでも悪党なので、俺のようにはなるなよみたいな綺麗ごとを一切言わないのがよい。助けてもらった礼に弟子にするつもりなのか、単なる捨て駒として使う気なのかその真意のわからぬまま彼は少年たちに強盗のテクニックを教えこんでゆくのが、どちらに転んでも少年たちの破滅的な未来しか見えてこなくて緊張感を高める。
3人の中のメインであるゲイリー・グライムズは、今作のあと映画1本とテレビドラマ2本に出たきり1983年には俳優業を引退している。チャールズ・マーティン・スミスは、このあとも「アンタッチャブル」などに出演しており2010年くらいまではバイプレーヤーとして活躍していた。ロン・ハワードは監督に転身し、「コクーン」「バックドラフト」「ダ・ヴィンチ・コード」「ハン・ソロ」など多くのヒット作を撮っている。
アメリカンニューシネマの常ではあるものの、主人公たちに幸せな未来がないのがなんとも悲しい。
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11月 11th, 2024 by PureJyam
「ゴッドファーザー PARTⅡ」 1974
監督フランシス・フォード・コッポラ。主演アル・パチーノ、ロバート・デ・ニーロ。前作「ゴッドファーザー」の続編である。邦題でそうなったのかと思ったが、原題にまんまPARTⅡと付けられているのは珍しい。
前作で頂点に立ったマイケル・コルレオーネと父ヴィトー・コルレオーネの若き日の姿を交互に描く。それはファミリーを維持していこうという意志が逆にファミリーを崩壊に向かわせてしまっていることに苦悩するマイケルと故郷を追われるが新天地で逞しくファミリーを築き上げてゆくヴィトーとの対比でもある。
アル・パチーノとロバート・デ・ニーロの初共演映画ではあるものの、時代が異なっているため顔を合わせるシーンはない。実質的には以前見た「ヒート」の方が初共演になるのかもしれない。
テレビ放映しているらしいのだが、見た記憶はない。ただテーマ曲が滅茶好きで、多分中学くらいのときにレコードを買っている。なので、音楽が流れると何とも懐かしい気持ちになってしまう。
前作が177分とかなりの長尺だったが、今作は200分とさらに長い。そのせいか途中で休憩の字幕が出る。多分劇場では休憩になったのだろう。昔「七人の侍」を見に行ったときに、やはり途中で休憩があった。あれも207分とかなり長かった。
1作目と今作のどっちがよいかと言われるとかなり迷うものの、個人的には前作の方が好きかなぁ。やはりマーロン・ブランドの存在感がすごいんだよね。
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11月 9th, 2024 by PureJyam
「ラビッド・ドックス」 1974
マリオ・バーヴァ監督のイタリア映画。クライムサスペンスである。主演はリカルド・クッチョーラ。この人はよく知らないが、わりと有名な「死刑台のメロディ」という映画にも出ていたらしい。ただそっちでは、リッカルド・クッチョッラという風に表記されていて、日本ではあまり知られている役者という風ではない。
警察に追われた凶悪な強盗犯たちは女を人質にとり車で逃走するが、途中で車を替えるために乗っ取った車には病気の子どもが乗っていた。
監督のマリオ・バーヴァはホラー映画を中心に撮った人で、その作品は後の映画にも多くの影響を与えたほどだったといい、イタリアンホラーの父とも称される。今作はホラーではなくサスペンス物ではあるが、人が死ぬシーンはそこそこある。
冒頭の強盗シーンを除けばほとんどが車の中で撮られていて、お話の中心は強盗犯と人質のやりとりになるので、密室劇ともいえる。強盗犯は警察から逃げおおせるのか、人質は強盗犯から逃げられるのか、病気の子どもはどうなるのかと、サスペンスのポイントが多数ありかつ強盗犯の3人のうち博士と呼ばれるリーダーは知的な雰囲気だが、残り2人は粗野でいかにも犯罪者といった体でリーダーも持て余し気味という感じで一枚板ではないところが、さらに先の展開を読みにくくしていて面白い。
原題は「Kidnapped」で人質側目線だが、アメリカでのタイトルである「Rabid Dogs」は狂犬病の犬みたいなニュアンスで、どちらかというと犯人側のことを言っていて逆になっているのが、イタリアとアメリカの考え方の違いみたいなものを表しているのかなぁと思ったが、単なる邪推という気がしなくもない。
伏線の張り方も巧みで、なかなかの良作。
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11月 7th, 2024 by PureJyam
「アステロイド・シティ」 2023
ウェス・アンダーソン監督。出演は、ジェイソン・シュワルツマン、スカーレット・ヨハンソン、トム・ハンクス。
前作の「フレンチ・ディスパッチ」では、雑誌の記事の映像化だったが、今作は劇中劇という形式。1950年代の砂漠の町に集まった人々と宇宙人の邂逅によるドタバタを描く。
ジェイソン・シュワルツマンはウェス・アンダーソン作品の常連で、今まで見たほぼ全部の作品に出演している。トム・ハンクスはどうも「フォレスト・ガンプ」のイメージが強く残っているせいか、今作の主人公の義父という年寄りの役をやっているとは思わず、最初全然わからなかった。
アステロイド・シティでのお話は面白いのだけど、個人的には劇中劇という手法がさらに面白くしているかというとあまりそんな気はしなくて、外側の劇作家のフェーズは必要だったのかというところがうまく読み取れなかった。ただまぁそれも含めてウェス・アンダーソンっぽいといえばそうなのかもしれない。
1950年代が舞台なはずだが、科学技術は妙に未来的な物が登場していてSFっぽい雰囲気が好き。あと登場する宇宙人がツボだった。
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11月 4th, 2024 by PureJyam
「ソナチネ」 1993
北野武監督、ビートたけし主演のヤクザ映画。「その男、狂暴につき」から4作目の今作は北野作品の中でかなりの高評価を受けている。特に海外での評価が高い。ヤクザ映画とはいえ、後の「アウトレイジ」とかと比べると撃ち合いやらのシーンは少なく、エンタメ特化にはなっていない感じがよいのかもしれない。
村川組の組長村川は上部組織の北島組組長から依頼され、中松組と阿南組の抗争の手打ちのサポートのために何人かの組員を引き連れ沖縄へと赴く。しかし両組の間は手打ちとはほど遠い状況だった。
序盤こそヤクザ物っぽい手荒なシーンが多いが、中盤は抗争から逃れて郊外の一軒家で暇をもてあますたけしと部下の大杉漣、寺島進、中松組幹部の渡辺哲と部下の勝村政信の共同生活がメインとなり、このあたりがいかにも北野武っぽい力の抜けたゆるい展開。特に現地ヤクザの渡辺哲がいい味を出している。
何でもないところではすごんだり怒鳴ったりするが、いざ撃ち合いのシーンでは全く無表情で、仲間が死んでも平然として緊迫感も何もないところが面白い。もっとも「その男、凶暴につき」のときからこういうハードボイルド的な傾向だった気はする。
中盤の共同生活中は取り立てて大きなイベントもなく、だらだらと遊ぶシーンが続くだけなのだが、そうなっても退屈さを感じさせない演出はまぁさすがである。このヤクザ映画にもかかわらずヤクザ映画っぽさが薄いところが、ちょっとおしゃれな雰囲気を醸し出しているところもあって、特にヨーロッパでの受けがよいのだろうか。
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11月 2nd, 2024 by PureJyam
夏に撮った「逃げ上手の若君」と「天穂のサクナヒメ」だが、若君の方は6話まで見たものの、サクナヒメは結局2話以降は見ずに消してしまった。昨今は大抵の作品はNetflexかAmazonPrimeの配信で見られるので、録画はするもののそのまま消してしまう方が多い。それでもいったんは録画する理由は、ものすごく面白いやつはブルーレイに焼いて保存することもあるからだ。飛びぬけて面白いやつは円盤買っちゃうこともなくはないのだけど、それはまぁよほどのものだけだしね。
「ダンダダン」
これは当たり。原作は実は2021年に1巻だけ買っている。面白いなぁとは思ったものの2巻以降は特に気にしていなかった。ラブコメオカルトバトル物という少年マンガの要素をごった煮にしたようなわりとぶったとんだ内容だが、原作の味を生かしたままなかなかにスピーディな演出がかっこよい。サイエンスSARUは演出者の出来不出来が激しいので若干の懸念はあったが、取り越し苦労だったようだ。オープニングからとにかくセンスがよくて見入ってしまう。主題曲のCreepyNutsも滅茶よい。
「ネガポジアングラー」
釣りアニメ。釣りには全く興味はないが、「放課後ていぼう日誌」も見ていたし何故だろう。とりあえず録画は継続しているが、見るかどうかは気分次第というところ。少なくとも1話全部を見させるだけの惹きはある。
「物語シリーズ オフ&モンスターシーズン」
久々の物語シリーズである。相変わらずの内容なので、ある意味見ると安心する。1話を見る限りでは大学生になった阿良々木暦 は主役ではなく、以前のシリーズに出てきた女の子たちのその後のストーリーみたいな感じのようだ。
配信が先行していて、それが一段落しての地上波放送ということらしい。今回がオフシーズンで多分モンスターシーズンは来年くらいにまたやるのかな。
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10月 30th, 2024 by PureJyam
発売日は来年の2/28だが、昨日からオープンベータテストなるものが開始された。一般向けテストは11/1から11/4なのだが、PS Plus加入者のみ先行プレイということで、10/29から10/31までプレイできる。
前にも書いた気がするが、個人的にはモンスターハンターシリーズとはあまり相性がよくない。今までも試用版とかあるといったんはプレイしてみるのだが、どうにも面白いと感じないのだよね。
今回もどうなることかと思ってプレイはしてみたものの、今までよりは面白そうだとは思ったものの、何回かやったらまぁもういいかなぁという感じ。
グラフィックはよいし、世界観も悪くない。ただどうにもアクションのとこが合わない。なんか攻撃がうまく当たらないし、当たっても手ごたえがないし、操作が複雑すぎてよくわからん。他のゲームでも操作が複雑なのはたくさんあったので、慣れの問題ではあるのだろうけど、慣れるまで続かないのだな。ソウルシリーズとかと比べても難しいというわけでもないが、どうも操作していて爽快感も達成感もないんだよねー。もちろんゲーム自体が悪いのではなく、わたしとの相性が悪いだけなので、こればっかりはしょうがない。わたしとは逆に、モンハンは大好きだが、ソウル系はちょっとみたいな人もいるだろうし、それぞれ好きなゲームをやるしかないね。
今作でやっとモンハンデビューなるかと期待したのだが、結局いつも通りだった。残念。
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10月 28th, 2024 by PureJyam
「ファンダンゴ」 1985
監督はケヴィン・レイノルズ。主演がケビン・コスナーの青春コメディ。
後に「グーニーズ」や「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を製作することになるスティーヴン・スピルバーグ設立の制作会社アンブリン・エンターテインメントの初作品でもある。ただし今作にスピルバーグは関わってはいないようだ。
大学の卒業記念パーティのあと、思い出の地であるメキシコ国境を目指してドライブに繰り出す5人組のしっちゃかめっちゃかな旅を描く。
ケビン・コスナーは、今作の2年後に「アンタッチャブル」でエリオット・ネスを演じて注目を浴び有名になるが、今作が初主演だった因縁なのか、監督のケヴィン・レイノルズと共に、このあとも一緒に「ロビン・フッド」とか「ウォーターワールド」を撮っている。
大学生版スタンド・バイ・ミーみたいな感じのロードムービーだが、ノスタルジックな雰囲気はなくタイトルの「ファンダンゴ」が意味する不良学生の馬鹿騒ぎにしか見えない。ただ、舞台が1970年代初頭のベトナム戦争がまだ行われていた頃で、5人のうち3人は卒業後軍に行くことになっているという事情があることを考えると、この旅の意味も単純ではなくそれぞれが複雑な思いを抱きつつ、反発したり共感したりしながら旅を続けるというところで、青春映画としてよく描かれているように思えた。
単なるお調子者というだけでもないケビン・コスナーのキャラもよいが、5人の中で一人だけがずっと酔って寝たままなのを常に背負って移動する牧師志望の無口な髭面の大男のキャラが滅茶好き。
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10月 26th, 2024 by PureJyam
PCについては去年リニューアルしたばかりなので、当面何かを変更する予定はないのであるが、マザーボードを買ってしまう。
なぜかというと、リニューアルした環境に一点だけ問題があって、それを解決できるのではなかろうかという一縷の望みをかけていたのである。
問題というのは、PCをシャットダウンしたときに、なぜだか電源が落ちないのである。Windows自体はシャットダウンされているのだが、マザーの電源が落ちずにファンが回りっぱなしになってしまうのだ。なので、シャットダウンしたあと必ず物理電源ボタンを長押しして落とさなければならないのである。大した手間ではないのだが、毎回となると結構うざい。
ググってもこれといった情報はなく、怪しそうなWindowsの設定やらBIOSやらの設定をいろいろいじってはみたのだが、いっこうに効果がない。ということで、もしかするとマザーボード自体に原因があるのではないのか?と考えたわけだ。そこでちょうどAmazonのセールで少し安くなっていたAsusのマザーボードを買ってみたと。チップセットもグレードダウンしているし値段も半分以下ということで、あまり気は進まないが、ちゃんと電源が落ちるようになればそれにこしたことはない。
しかしだ、苦労してマザーボードを変えてみたにもかかわらず、結果は同じだった。意味がわからない。去年リニューアルする前はちゃんと落ちてたわけだから、原因があるとするとマザーボードである可能性は高いはずなのに、変えても効果がなかったというのは、全く解せない。
せっかく変えたものの、現象が解決しないのであれば、安いマザーのままにしておく必要もないので、また苦労して元に戻した。コネクタやらなんやら指し直すのは結構面倒なんだよね。
ただ、こうなるともうお手上げである。あと試すのは、Windows11へのアップグレードなのだけど、これは最も気が進まない手段なんだよねぇ。まぁWindows10も来年でサポート切れになるので、そろそろアップグレードはしなきゃならいのはそうなのだけど、どうもねぇ。
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10月 24th, 2024 by PureJyam
「斬る」 1968
岡本喜八監督、仲代達也、高橋悦史主演の娯楽時代劇。
上州のとある藩、自らの正義を信じ城代家老を斬った七人の若侍たち。しかし次席家老鮎沢は彼らを追い詰める。
よくあるお家騒動物で、原案となった山本周五郎の短編も、山の砦に立てこもる若侍たちを中心に描いているのだが、岡本監督はそこに仲代達也と高橋悦史という二人の外部因子を挿入することでひねりを加えている。
仲代達也が元侍のヤクザ、高橋悦史が元百姓の侍志願で、かつ単純に共闘するというわけでもないところが、変則的で面白い設定。仲代達也がとぼけた感じの得体の知れない役をやっているのがちょっと珍しい、ただそういう役回りのせいかあまり気合の入った殺陣が見られないのが残念。パッケージ写真はいかにもなカットを使っているが、本編にこういうシーンはないのだよね。
高橋悦史は滅茶はまり役で、ストーリーの多少の粗もこの人のキャラで帳消しになるくらいよかった。元百姓なので剣の腕は大したことないのだが、勢いだけでなんとかしてしまうというというのも面白い。できれば使い手の仲代とへっぴり腰の高橋というコンビでの乱戦殺陣はやってほしかったところ。
あとタイトルが今一つ意味不明なのだよね。内容と合ってる気がしない。
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