7月 18th, 2023 by PureJyam
「イナゴの日」 1975 監督はジョン・シュレシンジャー。出演はドナルド・サザーランド、カレン・ブラック、ウィリアム・アザートン他である。ジョン・シュレシンジャー監督は1969年に「真夜中のカーボーイ」でアカデミー監督賞を取っている。 1930年代、パラマウントの美術部に就職したトッドは、同じアパートに住むエキストラをしながらスターを目指すフェイと知り合う。彼女と付き合いたいトッドだったが、自由奔放なフェイは周囲の男たちを無邪気に翻弄しまくるのだった。 昔からタイトルだけは知っていて、内容もハリウッドの内幕物?だという話だけは聞いていた。ただ実際見てみると確かにハリウッドの裏側の描写もあるにはあるが内幕物という感じではなく、一人の女を巡る男たちの悲喜劇といったところか。 「戦略大作戦 」で破天荒なオッドポール三等軍曹だったドナルド・サザーランドが、今作ではフェイに一目ぼれしてしまい、アゴで使われる内気で地味な男を演じていて、あまりの落差に最初同一人物であると気づかなかった。 作中、トッドの近所に住む悪ガキが何度か出てきて、悪口を言ったりいたずらをしたりして見る側のヘイトを集めるのだが、無邪気に周囲を傷つける存在という意味でフェイと同じなのだよね。悪ガキが直接的に傷つけるのに対し、フェイは間接的に傷つけているというだけの違い。しかしその違いが結局ラストの扱いの違いになってしまっているのがなんとも言えない気分。
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7月 16th, 2023 by PureJyam
「ビッグガン」 1973 アラン・ドロン主演の仏伊合作のアクション物。監督はドゥッチョ・テッサリという「夕陽の用心棒」とか「続・荒野の1ドル銀貨」とかのを撮った人。原題は「TONY ARZENTA」で、単に主人公の名前である。邦題の「ビックガン」は勝手につけたものではなく、英語タイトルを持ってきている。 殺し屋のドロンは家族のため足を洗う決心をするが組織がそれを許すはずはなかった。家族を殺されたドロンは復讐の開始する。 筋だけ見るとマカロニウェスタンによくあるような感じだが、ヨーロッパが舞台になるだけでなんとなくおしゃれ感が漂うのはなんでだろう。結構残虐なシーンもあるのだが、見せ方のせいかさほどどぎつさを感じない。ちょっとしたカットにセンスを感じるのだよね。 途中に警察関係者が出て来るのだが、結局その後のストーリーには何のからみもなく、いったいなんだったのだろうというところだけちょっと気になった。 カーチェイスやら銃撃戦やら爆破やらで見どころは多くアクション物としてはそこそこ面白い。 それにしてもやはり、アラン・ドロンにはこういう冷徹な殺し屋の役がよく似合う。ものすごいイケメンなのに、どこか暗い陰が滲み出ているところが、いかにも裏社会の人間っぽいのだよね。 しかし映画に出てくる殺し屋というのはなんでこうスムーズに足を洗えると思うのだろうか。
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7月 14th, 2023 by PureJyam
夏アニメの時期である。今期は春よりは少し増えた。
「アンデッドガール・マーダーファルス 」 魔物たちの存在する世界線で、半鬼の男と不死の少女が奪われた少女の身体を取り戻す旅に出る。1話時点では物語の方向性が掴めないが、会話部分がなにげに物語シリーズっぽい演出なのが面白い。シャフト制作ではないけどね。原作は推理系のラノベらしい。
「無職転生Ⅱ 」 普通に1期の続き。ただ、監督とシリーズ構成が交代している。制作会社自体が変わったわけではないので、作品の雰囲気に大きな差はないように見える。1期のときの質の高さを果たして維持できるかはまだわからない。
「LV1魔王とワンルーム勇者 」 勇者に倒された魔王は10年の時を経て復活を果たす。そしてかつての勇者の元に赴くが、勇者は落ちぶれていた。というギャグアニメ。復活した魔王がなぜか幼女の姿になっているわ、勇者の落ちぶれ方が妙に現実的という、そのへんのギャップで責めてくる感じ。すごく面白いわけでもないが、なんとなく見てしまう。
「デキる猫は今日も憂鬱 」 ずっと原作を読んでいる猫マンガがまさかのアニメ化。CG多用なので、原作の雰囲気とちょっと違う気もするが悪くはない。
「AIの遺電子 」 これまた原作既読物。アンドロイドたちが人間と普通に暮らす近未来でブラックジャック的医者が遭遇するAIを巡る物語。山田胡瓜の描く近未来はいかにもありそうな感じなのがよいし、AIの普及により発生する問題もいかにもそれっぽい。各種生成AIやChatGPTによりAIとそれによる問題がわりと身近になった今だからこそのアニメ化か。
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7月 12th, 2023 by PureJyam
「荒鷲の要塞」 1968 ブライアン・G・ハットン監督、リチャード・バートン、クリント・イーストウッド主演の戦争アクション。といっても軍同士の戦闘があるわけではなく、ドイツ軍要塞への潜入ミッションの顛末を描く。 飛行機の不時着でドイツ軍の捕虜となったアメリカの将軍を救出すべく、イギリス軍を中心とした潜入チームは難攻不落の要塞、荒鷲の要塞へと向かうのだった。 着いていきなりメンバーの一人は殺され、隊長も怪しい動きをするなど、不穏な空気を孕んだまま作戦が進み、二転三転する展開は目を離させない。適度に挟まれる銃撃戦や、断崖絶壁への侵入等々アクションエンタメとしてはなかなかに魅せてくれる。 クリント・イーストウッドは、メンバーで唯一アメリカ軍所属で、基本的には彼と隊長のリチャード・バートンが主役となる。 ただ2時間30分超の上映時間の最初から最後まで、ずっとサスペンスが続くため、かなり消耗する。途中に息を抜くような場面がほぼ存在しないのだ。作戦の詳細はもちろん観客には示されないので、この先どうなるんだろうという牽引力はすごいが、さすがにそれが続きすぎると疲れるのだな。 逆に言うと退屈する部分がなくずっと面白く観られる映画ではあるので、エンタメとしてはよいのかも。リチャード・バートンが美味しいところを全部持っていってしまっているので、イーストウッドは活躍はしているもののいまいち影が薄いのが残念。
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7月 10th, 2023 by PureJyam
「ベイビー・ドライバー」 2017 監督はエドガー・ライト。主演はアンセル・エルゴート、ケヴィン・スペイシー。カーアクション映画である。エドガー・ライトはいろいろな作品にからんでいるようだが、どちらかというとB級映画中心っぽい。 事故の後遺症で起こる耳鳴りを抑えるため常に音楽を聴いているベイビーは、裏社会の元締めへの借りを返すため、強盗の逃走ドライバーをやらされていた。足を洗おうとする彼だが、元締めは優秀なドライバーである彼を簡単には離そうとはしなかった。 主人公のベイビーのキャラがよい。無口で童顔、常にイヤホンを手放さないが、ドライビングテクニックは天才的というのがかっこいい。 特に冒頭のカーチェイスシーンは素晴らしい。できれば、そのカーチェイスシーンをもっと見せてほしかったところだ。後半の展開次第でもうちょっとなんとかできたんじゃないかとは思う。 アクションシーンはテンポがよくていい感じなのだけど、その他のシーンになるとなんかちょっとテンポが悪くてもたつくのが気になる。まぁそれは単にわたしと監督の波長がうまくあっていないせいなのかもしれない。 どう転ぶかわからない展開にかなり惹かれるし、ベイビーのキャラとスタイリッシュなアクションもよいので、全体的には悪くない。
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7月 8th, 2023 by PureJyam
「マトリックス レザレクションズ」 2021 いわずとしれた「マトリックス」の続編である。3作目の「マトリックス レボリューションズ」が公開されたのが2003年なので、20年ぶりの新作ということだ。 主要登場人物のうち、キアヌ・リーヴスとキャリー=アン・モスが出演しているが、ローレンス・フィッシュバーンやヒューゴ・ウィーヴィングは過去映像のみで出てくるだけだ。 その他、かつての登場人物も出てきているようなのだが、そもそも前シリーズを見たのがかなり前なので、細かなところはほぼ憶えていなくて、お前誰だっけ状態ではあった。 ストーリーはまぁ大した話ではない。そもそも前3部作できっちり終わっているお話なので、何をどうしようと蛇足でしかないわけだしね。3部作を完全にひっくり返すような画期的なアイディアがあったのなら別だが、今作についてはそういうものでもない。 もっとも、つまらないわけではなく、後日談的な見方をすればさほど悪くはないし、そこそこ面白い。 キアヌ・リーヴスは髭はやしているとほぼ「ジョン・ウィック」にしか見えなくてなんとも変な感じ。過去映像も出てくるので、それと比べてしまうと若く見える彼もやはり年とったなぁという感想。キャリー=アン・モスは前3部作ではあまり好きな雰囲気ではなかったが、今作ではいい感じに年を取っていてなかなかよい。 ただ、なんか今作ではキアヌ・リーヴスのかっこいいシーンが少ないのだよね。普通にアクションすると「ジョン・ウィック」と同じになっちゃうから、あえて少なくしてるのかね。
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7月 6th, 2023 by PureJyam
11年ほど前に東京都現代美術館であった特撮博物館 という企画の中で上映されていた短編。ケーブルテレビの録画を整理していたら出てきたので、久しぶりに見た。
監督は樋口真嗣、脚本は庵野秀明という「シン・ゴジラ 」コンビであるが、10分ほどの長さしかなく、セリフも林原めぐみによるモノローグだけだ。突如東京上空に現れた巨神兵が、やはり唐突に東京を破壊し世界をも破壊してゆく。「風の谷のナウシカ」で語られた火の七日間の始まりである。 全編CGではなく通常のいわゆる特撮技術だけで作られているのは、そもそも特撮博物館向けに作られたものだからだそうだ。
あらためて見ると、のちの「シン・ゴジラ」を思わせるようなカットもあって興味深い。特に巨神兵がビームを吐くところはほぼゴジラがビームを吐くところと同じイメージを感じる。 「シン・ゴジラ」ではCGで街並みが再現されていたが、ここでは全てミニチュアを使っている。ミニチュアの細かな再現度合がすごい。まさに職人技という感じ。
「シン・ウルトラマン」も見ても樋口真嗣はたまに微妙な演出をするのだけど、こういう人間ドラマのないやつではそういうところが見られないのだよね。悪名高い「進撃の巨人」はまだ見ていないので何とも言えないところだが、人間やはり向き不向きがあるだろう。
最初みたときに、かなり衝撃を受けたものだが、久しぶりに見てもやっぱりすごい。ストーリーなぞあってないようななものなのだが、淡々としたモノローグのバックで破壊の限りを尽くす巨神兵という絵がほんと刺さるんだよね。 特撮博物館で同時に上映されていたメイキングと一緒にブルーレイ化してほしかったのだけど、結局本編だけがエヴァンゲリオンのおまけみたいなかたちで収録されちゃったのだよねぇ。メイキングもかなり面白いので、どっかで上映してくれないかなぁ。
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7月 4th, 2023 by PureJyam
Steamのセールが始まっている。いろいろ買いたいが7/13までなので、早いとこ決断しないとなんだよね。ということで気になるゲームをいくつか。
「NieR Replicant 」 3432 「NieR:Automata」の前作。セールになるたびに迷っている。まぁ内容が多分暗いのはわかっているのでそれはよいのだが、作品自体は古いものなので、そこにちょっとひっかかってしまうのだよね。多分やれば面白いのだろうけど。
「Atomic Heart 」 5808 近未来ディストピアFPS。もう一声値段が下がればねぇ。
「HOGWARTS LEGACY 」 7022 やりたいが、さすがにまだ高い。あとやはり映画を先を観といたほうがいいかなというのもある。
「ライザのアトリエ ~常闇の女王と秘密の隠れ家~ 」 4290 ずっと、気にはなっているものの、セールとはいえ微妙な価格で迷う。既に3作目が出でいるが、シリーズものだけにやはり最初からやりたいしねぇ。
「FORSPOKEN 」 4840 体験版はまぁそこそこ悪くなかったものの、あまり評判はよくないので、さらに半分くらいの値段になったら買いたい気持ちはある。
「Against the Storm 」 2587 これまたずっと気になっている。早期アクセス版だがかなり評判はよい。よくある村発展ゲームで、ファンタジー世界というのがちょっと珍しい。
「Cult of the Lamb 」 1670 カルト宗教経営ゲーム?。このくらいの値段なら試しに買ってみるかなぁ。
「DARK SOULS Ⅱ 」 2860 PS3でやったので、そろそろ画質のよいバージョンもやってみたい気はしている。当初と敵配置等が変わっているという話もあるがどうなのだろう。
「ENDER LILIES 」 1364 メトロイドヴァニア系横スクロールアクション。出た当初からとても気になっている。さすがに迷う値段でもないか。
「デイヴ・ザ・ダイバー 」 2160 ものすごく評判がよく、それだけでちょっと気になる。ただ海を探検し魚を捕って寿司にするというよくわからないゲームなのが、躊躇いの理由。
「ONLY UP 」 1043 最近配信でよく見る。ただ上に登ってゆくだけのゲームだが、単純が故にはまりそう。ただ途中セーブできないのが難点なのだよねぇ。
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6月 29th, 2023 by PureJyam
「ゼルダの伝説 ティアーズオブキングダム 」を終わらせてしまい、次に購入予定の「ARMORED CORE Ⅵ 」の発売までまだ2か月もあるということで、じゃあ次になにやろうかということである。 単に放置中の「ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク 」を再開すればいいだけじゃね?というのは重々承知はしているのだが、どうも食指が動かないのだよね。 ということで、最近PlayStation Plusのフリープレイに追加された「FARCRY6」をやってみた。前作の「FARCRY5 」もフリープレイに来たので、多分こっちも来るのだろうなと思っていたら、案の定追加された。
前作はカルト教団に立ち向かう元警官の話だったが、今作はカリブの小国ヤーラで、独裁者と対立するゲリラの話となる。まぁこのシリーズは敵と舞台が変わっただけで、やることは変わらないのだよね。「FARCRY5」の続編となる「FARCRY New Dawn 」は、まぁスピンオフ的な位置づけだったし、システム自体も若干違う部分もあったが、今作はナンバリングタイトルということで、ようするにいつものFARCRYに戻った感じ。敵を殺して拠点を奪って味方の領域を広げてゆき、最後はラスボスと対決というわけだ。ほんと代り映えのしないシリーズだが、個人的には嫌いじゃないのだな。
特に目立った新要素はないのだが、武器として背中に背負う感じの必殺武器みたいなやつが追加されて、序盤から使える。あと、前作にも出てきたが、仲間になる動物たちがいて、今作の最初の仲間がワニというのがよい。わりと丈夫だしそこそこ強い。マップは最初なんだか狭いなと思っていたら、そこはチュートリアル専用の島で、本編はちゃんと前作と同じくらいに広いマップがちゃんとあった。 序盤から使える武器の種類は多いし、車も船もヘリもすぐに使えるようになるところがよいね。移動手段やら武器を出し惜しまないゲームなのだな。 とはいえ、やることはいつも同じなのだけどね。
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6月 27th, 2023 by PureJyam
「劒岳 点の記」 2009 前に見た「野獣狩り 」で、撮影監督としてデビューした木村大作の初監督作品である。当然ながら撮影も自分で行っている。主演は浅野忠信。他に香川照之、松田龍平、宮崎あおい、役所広司。原作は新田次郎の小説である。 明治40年、日本地図の最後の空白域を埋めるべく剣岳の初登頂に挑む陸軍陸地測量部の苦難を描く。 剣岳はもとより、その周辺の山々で現地ロケされた風景が圧巻である。まさに本物の迫力であり、映画館の大スクリーンで見たら多分それだけで感動してしまうだろう。さすが長年撮影監督として活躍してきただけのことはある。 しかし撮影された絵としては素晴らしいのだが、じゃあ映画としてどうなのかというと、いまひとつぴんとこない。特に人の会話シーンの微妙さが気になってしまった。どこが悪いというわけでもないし、へたくそな演出というわけでもないのだが、なんかぎこちないのである。まぁ初監督作品ということなので、しょうがないといえばしょうがないのだが、やはり撮影するというのと監督するというのには大きな違いがあるのだろう。 それとストーリーのバランスがよくないのだよね。前人未踏の剣岳への初登頂がメインの映画にもかかわらず、肝心の登頂シーンが短すぎるのだ。それまでの展開で、散々剣岳登頂が困難なのかを力説しているのに、その困難な部分がほぼ描かれないまま頂上についてしまっていて、盛り上がるべきクライマックスがない。 恐らく、実際に現地で困難な部分を撮影しようとすると、かなり危険なことになってしまうので、現実問題として無茶できなかったのではなかろうか。かといって、そこをセットやCGでやってしまうと、それまでに描いてきた本物の風景までもが、偽物っぽくなってしまうためそれもできなかった。監督の本物へのこだわりが逆に映画としての物足りなさを生んだようにも思える。
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