9月 5th, 2023 by PureJyam
考えてみると「シン・ゴジラ」から既に7年も経っているのだった。そのゴジラの新企画である「ゴジラ-1.0」の公開が迫ってきた。
舞台を戦後すぐに移し、初代ゴジラに近い印象を受ける。そして「シン・ゴジラ」がばっさりと切り捨てたいかにもなドロドロもたっぷりという感じ。
今回の監督は山崎貴。この人の作品は大昔に「ジュブナイル」を見たような記憶もあるのだが、はっきりとはしない。もっとも山崎監督は「ドラゴンクエストユアストーリー」でミソを付けた実績もあるので、ちょっとどう転ぶかはわからないのだよねぇ。ただ良くも悪くも恐らくは大衆受けを狙った薄っぺらいお涙頂戴に走りそうな予感は大いにある。
予告を見る限りは、恐ろしいゴジラという存在がかなり強力に描かれているようでもあるので、ワンチャンいけそうにも思えるのだが、やはり様子見が賢明かなぁ。
「シン・ゴジラ」の予告を見たときは、かなりワクワクした記憶があるのだけど、今回の予告を見てもそこまでの感覚はないのだよね。迫力という意味ではこっちの方が上だと思うのだけど、なんとも予定調和的にしか見えなくて、結局のところ綺麗ごとなセリフで締めて大団円というのが待っているだろうなと思えてしまう。まぁある意味王道の怪獣映画になりそう。
そこはまぁ監督のうまいへたではなく作家性の傾向の違いだとは思うのだが、どうなのだろう。その違いを見るのはちょっと面白そうではあるが。
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9月 3rd, 2023 by PureJyam
「阿修羅城の瞳」 2005
監督は滝田洋二郎。出演は市川染五郎、宮沢りえ、渡部篤郎他。鬼の跋扈する江戸の街を描く伝奇物である。元は舞台で上演されたもので、作者は「キルラキル」の中島かずき。この人はアニメ畑の人かと思っていたが、どうやら元々は演劇系の人らしく、舞台脚本を多く書いている。
鬼退治の組織「鬼御門」の元副隊長で今は歌舞伎役者の出門は、江戸の町を騒がす女盗賊つばきと出会い恋に落ちる。しかしそれは鬼の王阿修羅復活の始まりだった。
滝田洋二郎は昔よく名前を聞いた人で、ピンク映画出身で内田裕也主演の「コミック雑誌なんかいらない」で注目を浴びた。まぁ一般的にはアカデミー外国語映画賞を取った「おくりびと」の方が有名だろう。
派手な伝奇物も演劇であれば舞台セットでなんとかなるが、映画となるとやはりそれなりの特殊効果が必要になってしまう。この当時の邦画としては一応頑張ってはいるものの、やはりチープさは否めないのが残念。
それとやはり少し雰囲気が普通すぎる。この手の話はもっと派手な美術と演出が欲しいところ。紀里谷和明監督が「CASSHERN」でやったような映像表現くらいが恐らく丁度いい感じかもしれない。それかいっそトリガーがアニメ化した方がしっくりくる。ただ、伝奇要素はあくまで背景であってお話としてはどちらかという恋愛物なのだけどね。
主演の市川染五郎は舞台の方でも同じ役をやっていることもありなかなかのはまり役。宮沢りえは悪くないが、すごくよいというほどでもない。とはいえ、どうにもイメージが合わない内藤剛志よりはましか。
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8月 29th, 2023 by PureJyam
「ゴッドファーザー」 1972
言わずと知れたマフィア映画の金字塔である。監督はフランシス・フォード・コッポラ。主演はマーロン・ブランド、アル・パチーノ。
随分前に3部作パックを買ったので、順次見ていきたい。昔テレビ放映されたときに見たと思うのだけど、あまりに前すぎて見たかどうかも怪しい。内容もほぼ憶えてなかったしね。唯一記憶にあるのは、ジェームズ・カーンがハチの巣にされるシーンだが、ここは有名なところなので、そこだけ別に見ただけなのかもしれない。
上映時間3時間の大作である。暗黒街を牛耳るドン・コルレオーネとそのファミリーの物語。その第1作目で、時代の移り変わりと世代交代を描く。
冒頭で娘の結婚式がわりと長く描かれるが、そのシーンだけで多くの登場人物とその関係や立場を端的に観客に示していて、その構成力は素晴らしい。
全体的にエンタメを目指してるわけではないので、派手なドンパチがあるわけではなくどちらかというと重厚な語り口で物語は進むが、そもそもマフィアの世界が舞台なわけで、何かあれば銃が物を言う世界なので人はそこそこ死ぬ。
ドン・コルレオーネを演じたマーロン・ブランドはこの作品でアカデミー主演男優賞を取っているが、撮影当時47歳だったというのは驚きでしかない。アル・パチーノはまだ無名でこの作品が出世作である。
テーマ曲が超有名だが、我々世代より上の人間だとどうしても日本語歌詞が浮かんでしまって雰囲気がぶち壊しになるのが難点・・・
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8月 26th, 2023 by PureJyam
とうとう発売された「ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON」。去年の暮れに発表されて以来約9か月、長かったねぇ。過去作の「アーマード・コア フォーアンサー」をやろうとしたらXBOX360が壊れるという苦い思い出を乗り越え、ようやくの登場というわけだ。
前にも書いたが、ロボット物のゲームはセガサターンの「電脳戦機バーチャロン」と「ガングリフォン」しかやったことがない。今思うとPS3を買ったときになんでアーマードコアシリーズをやらなかったのだろうというのはあるが、当時はそもそもあまりアーマードコアというゲームの名前を耳にすることがなかったので、選択肢にすら上がってこなかったのだろう。
で、6である。やはりPS5のグラフィックでロボット物というのは、なかなかに魅せてくれる。操作の感覚はバーチャロンぽい気がする。まぁどちらもTPS視点で自機が見えているというのもあるのかもしれないが、加速、ミサイル、ブレード攻撃、ジャンプ等アクションにも共通点が多い。
フィールドは広いが、オープンワールドというわけではなく、昔ながらの伝統を継承してミッションクリア制となっている。探索要素もあるにはあるという話なのだが、見つけられたらラッキーという程度のもので、ダークソウル等と比べると重要度は高くない。
昔の「ガングリフォン」のようにロボット物は操作が複雑になりがちだが、今作はさほど複雑な印象はない。アーマードコアの過去作経験者は指が足りないみたいなことをネタとしてネットで言っているが、今作はやはりそのへんは改良されているということなのだろう。
とにかく面白い。久々のロボット物というのもあるが、やはり戦闘のスピード感と立体感がよい。ダークソウルなどとはまた違った面白さがある。またカスタマイズの幅も広く、それだけでももういつまででもやってしまう。
事前の噂ではかなり難しくなっているのではないかという話だったが、まぁボス戦は確かにかなり歯ごたえはある。ツイッターいや、Xのトレンドにもなっていたが、最初のチュートリアルボスがやたらと強くて、4,50回死んだような気がする。最近というかいつもフロムソフトウェアは最序盤にやたら強い敵を配置したがる癖があるが、今作でもそれは遺憾なく発揮されているようだ。
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8月 22nd, 2023 by PureJyam
去年の冬にクラウドファンディングで見かけて買ってしまったハンドモデルが、ようやく送られてきた。まぁ手のフィギュアである。
手の描写を得意とする加々美というアニメーターの方が監修したということで、やたらとリアル。可動域がほぼ実物の手と同じ程度あって、普通の人間がとりうる形であればまず再現できる。
写真や動画で見てもすげーなと思ったが、実物が来てみるとさらにすげーなと。もちろん指の関節は全て動くし、手のひらをすぼめる動きができるのはなかなかのものである。
もちろんハンドモデルということで、基本的には絵を描く人向けのものである。これでいろいろなポーズをとらせてかつあらゆる角度から見ることができるので、絵の参考にするにはかなりよいものであろう。
絵を描くわけでもないのについつい買ってしまったが、アクションフィギュアとして見てもかなりのもので、なんだかいろいろいじっていろんなポーズを取らせたくなる。
これにモーターを仕込んで制御できるようになれば、かなり面白そうだが、さすがに厳しいか。
これは右手モデルだが、好評だったらしく左手も作るらしい。両手揃えたらさらに面白いと思うが、さすがにそこまでする気はないのだった。
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8月 20th, 2023 by PureJyam
「スター・トレック BEYOND」 2016
新生スタートレック第3弾。主要キャストは同じだが、監督はJ・J・エイブラムスからバトンタッチしたジャスティン・リン。ワイルド・スピードシリーズの何作かを手掛けているが、私は見たことないので、よく知らない。
巨大宇宙基地ヨークタウンに到達したエンタープライズ号は、救助を求めてきた異星人の案内で辺境の星へと向かう。しかしそこに待ち受けていたのは・・・。
前作はクライマックスだけをつなぎ合わせたような、ノンストップエンタメだったが、監督が変わったせいか今作はそこまでの派手さはない。とはいえ、見せ場が少ないわけではなく、映画としての緩急の整った王道的なエンタメに仕上がっているように思える。ストーリーも悪くないし、個人的な感覚では3部作の中で一番スタートレックっぽい気がする。そして3部作の中で一番面白い。特に後半敵を攪乱する方法がまさかのマクロスで笑ってしまった。
カーク役のクリス・パインは最初あまりカークさを感じなかったのだが、ここにきてふとした表情にウィリアム・シャトナーっぽさを感じるようになった。まぁ気のせいかもしれないけどね。レナード・ニモイは前作には出演していたものの、今作では公開の前年に亡くなっており、作中でもスポックとして亡くなったことになって写真のみが登場した。
既に7年経っているものの続編の4作目の企画自体はあるようだ。ただ紆余曲折しているようで、本当に製作されるかどうかは現時点ではわからない。
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8月 19th, 2023 by PureJyam
6/16から始まっていて、ずっと行きたいと思っていた「古代メキシコ展」に行ってきた。夏休みとはいえ平日の午前中ならさほど混んではいまいという目論みは、会場の東京国立博物館に到着した瞬間に潰えた。開始は9時半で到着もほぼその時間だったにもかかわらず、チケット売り場には既に100名程度の列ができていて、見た瞬間もう帰ろうかと思った。やはり夏休みに入る前に来るんだったという後悔に苛まれつつもせっかく来たんだしということで、あきらめて列に並んだのだった。
混んではいたが、全然見られないよという程ではなく、入り口付近はそこそこ人だまりができていたものの奥の方はまだ人もまばらでわりとじっくり展示物を見ることができた。
古代メキシコということは、要するにマヤ、アステカ、テオティワカンあたりのものだというくらいはなんとなくわかるもの、これらの時間的地理的関係まではよく知らない。
以前見た「アポカリプト」がマヤ文明を扱っていたが、展示物の土器や土偶は確かにあそこに出ていた仮面や装束の雰囲気を漂わせていたように感じた。
マヤ文明の7世紀から10世紀頃の土偶は大きさはさほどではないが、細部がかなり細かく作りこまれており、なんとなく現代のフィギュアっぽかったのが興味深い。できればレプリカとか欲しかったが、特にそういうのは物販してなかったのが残念。
それにてしても国立博物館に行ったのはかなり久しぶりで、昔モナリザが来日したときに見に行って以来な気がする。
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8月 17th, 2023 by PureJyam
「殺しの分け前/ポイント・ブランク」 1967
監督がジョン・ブアマン、主演がリー・マーヴィンのクライムアクション。
友人に何かの取引現場を襲うことを誘われ金を強奪するが、裏切られて金を持ち逃げされる。そして一緒にいた妻も友人と逃げてしまった。かろうじて生き延びた男は復讐を開始する。
ストーリーは単純な復讐劇なわけなのだが、どうにもわかりにくい。というかいまひとつ主人公に感情移入できないのだよね。
まぁ裏切った友人に復讐するのはわかる。ただ物語はそこでは終わらず、友人が金を上納した組織のボスまで襲おうとするのがよくわからない。強奪した金を取り戻したいらしいのだけど、そこまでして金にこだわる心理がどうも説明不足でよくわからない。そもそも自分の金でもないし、強奪自体友人の誘いだったので、自身が金に困ってるわけでもなさそうなのだよね。
普通この状況で復讐といったら、裏切った友人を殺して終わりじゃないの?と思うのだが、主人公はどちらかというと、友人の死よりも金にしか興味がなさそうに見える。で、その理由がよくわからないのが、感情移入を阻害する要因なのかもしれない。
ジョン・ブアマンは好きな監督だし、凝ったカメラアングルも悪くない。リー・マーヴィンも渋くてかっこよいのだが、どうにも波長が合わなかったのだよねぇ。
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8月 14th, 2023 by PureJyam
「ピクニック at ハンギング・ロック」 1975
どうやら絶版らしく新品が売ってなかったので中古での購入になった。監督はピーター・ウィアー。オーストラリア映画である。なので出演者も知らない人ばかりだ。あまりなじみのないオーストラリアの映画だったせいか、日本での公開は11年後の1986年だった。
1900年のオーストラリア。お嬢様たちが通う女学校で、ある日近くの岩山へのピクニックが行われる。しかし、3人の生徒と1人の教師が頂上へ向かったまま戻らなかった。
不思議な雰囲気の漂う映画である。失踪の真相を探るというお話ではないし、失踪による他の女生徒たちの混乱を描くというわけでもない。いろいろと匂わせるような表現は多々あるものの、結局のところ彼女たちの行方不明の真相は最後までわからない。見方によってホラーでもあり、SFでもあり、突然の不幸に襲われる人たちの悲劇でもある。
実は日本公開当時、映画館で見ているのだが、内容はほとんど忘れていて、どうしてか失踪した生徒たちは何日か後にみんな戻ってきたと思っていた。
ブルーレイのメインは監督による9分短い再編集版である。もっとも公開時の内容を忘れているわけなので、違いはわからなかった。一応劇場公開版も特典として収録されているのだけどね。
パッケージの表紙にもなっているが、失踪する女生徒の一人がとてつもなく美人。そしてその美しさが映画にファンタスティックな雰囲気をも付け足しているようにも思える。
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8月 12th, 2023 by PureJyam
「その男、凶暴につき」 1989
前に「座頭市」を見た頃は北野作品はなぜかブルーレイが出ていなかったのだが、ここにきて大半がブルーレイ化されたので、まずはこいつを買ってみた。今さら言うまでもない北野武監督の第一作目の映画である。主演はビートたけしと白竜。バイオレンスアクションだが後の北野作品がよく扱うヤクザは出てこない。
たけしは刑事だがいわゆる問題刑事であり、容疑者にはすぐ暴力をふるい、上司や署長から疎まれている。ある日、管内で麻薬の売人が殺され、たけしは新人刑事と共にその犯人を追う。
かなり昔、テレビ放映されたときに一度見ているはずなのだが、ほぼほぼ憶えていなかった。記憶にあったのは、がさ入れに行った先で刑事がぼこぼこにされるとこと、流れ弾で通行人の頭が吹き飛ばされるカット、それと時折流れるエリック・サティの「グノシエンヌⅠ」。確かこのときはじめてサティの音楽を聴いたような気がする。
それにしても初めての監督でこれを作ってしまうのは、もうすごいとしか言いようがない。この時点で既に作風が完成されている。さすが世界のキタノである。
「アウトレイジ」シリーズでは暴力シーンはどちらかというと、銃をぶっぱなすことが多かったが、今作では警察が主人公ということもあって、ナイフで刺すとか殴るとが多い。それも何度も頬をひっぱたき続けるとか地味に痛々しい表現なので、銃で殺すよりも残酷に見える。
また徹底したハードボイルドで感傷的表現が少なく、主人公も自身の思いを秘めたままただ黙々と事件を追う。このあたりもかなり評価されているが、こういう演出をする監督は邦画では珍しいということもあるのだろう。以前見た「仁義」に雰囲気が似ているかもしれない。
それにしてもたけしや白竜、岸部一徳ら後の北野作品によく出演する面子が既にここでも顔を出しているが、総じて皆若い。よく考えるともう30年も前の作品なのだものねぇ。
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